2019/02/25
太陽電池の種類について学ぼう!その2/太陽光投資に関する課題
基礎知識・コラム
前回の記事では太陽電池の④つの種類のうち、化合物系とシリコン系の二つについて紹介させていただきました。今回は残り二つ、有機系・量子ドット系についてお話しさせてもらいます。
有機系太陽電池
次世代の太陽光発電システムとして大きく期待されている太陽電池です。大きく2つの種類があります。
- ①有機薄膜太陽電池・・・有機半導体を原材料とした太陽電池です。現在はまだ開発段階ではあるのですが、印刷機で原材料を塗布することで製造コストを大きく下げて生産することができ、デザイン性も含め大きく期待されています。
- ②色素増感太陽電池・・・電極に高価な素材である白金が使用されていますが、それ以外は低価格な素材で生産された太陽電池です。カラーバリエーションが豊富な種類から選べる太陽電池で、かつ製造工程も容易であり低コストでの生産が可能です。課題としては製品寿命が短いということがあるため、有機薄膜太陽電池と並び研究が進んでいる太陽電池になります。
量子ドット太陽電池
「量子ドット」と呼ばれる非常に小さい半導体を使用している太陽電池です。理論上ではこれまでに紹介したどの太陽電池よりも変換効率が圧倒的に高いと言われていますが、その他の課題が多く実用化にはまだ至ってない状況です。しかしその可能性から、第三世代の太陽電池として期待されています。
太陽光発電の普及に伴う課題
太陽光発電は投資案件として非常に注目され、現在まで全国に非常に多くの発電所が設置されてきていますが、その数の多さから様々な問題が出てきています。
- 景観の問題・・・自然の山を切り開いて設置される太陽光発電所を見て「美しくない」と感じるという声も上がっています。
- 地滑りや土砂崩れ・・・木々が根を張っていた山を斬り開くため、土砂崩れなどの被害が起きる可能性が高くなった地域も見受けられます。
- 耕作地の減少・・・太陽光発電所は、主に農地だった所を利用して設置されることが多いです。農地転用には各地域の農業委員会の審査に通ることが必須ですが、それでも多くの発電所は察知され、農地に戻すことのできない土地が増えています。
太陽光発電はまだまだ課題も多く、これからも上手な形での運用ができるよう、技術の発展や法の整備などが必要不可欠な分野になります。今後の太陽光投資がよりよいものになるよう、情報を追っていきたいと思います。