10kW以上の産業用太陽光発電では固定価格買取制度によって、発電した電気を電力会社が20年間買い取ることが義務付けられています。
しかし本当に20年間も太陽光発電所は稼働できるのでしょうか?
法定耐用年数と過去の例から考えてみます。
■法定耐用年数とは
法定耐用年数とは簡単に説明すると、個々の機械などの耐用年数を正確に見積もることが困難であるため、減価償却資産がどれくらいの期間利用に耐えうるかを法律で決めたものです。
※「減価償却」とは長期間に渡って使用される固定資産の取得に要した支出を、その資産が使用できる期間に渡って費用配分する手続きのことです。
太陽光の法定耐用年数は17年となっています。
■実際の耐用年数は?
太陽光の法定耐用年数は17年だということが分かりましたが、実際のところ何年ぐらい稼働できるのでしょうか。
太陽光パネル
太陽光パネルにはモーターなどのように動き続ける機械部がないため壊れにくいです。
それでも屋外に設置することで太陽の熱や雨などでゆっくりと少しずつ劣化は進んでいきます。
ただ最近ではパネルの出力保証25~30年を売りにしている製品が増えてきており、一般的には20~30年ぐらいまで使用できるのではないかとみられています。
パワコン
パワコン(パネルで発電した電気を電力会社の系統に接続できるように交流に変換する機器)は10年前後で壊れる可能性が高いようです。
有償で10年保証のメーカーがほとんどですが、中には20年保証を付けてくれるメーカーもあります。
■20年以上稼働している発電所
固定価格買取制度が2012年に開始し、そこから爆発的に発電所の数が増加したため20年間実際に稼働し続けた物件はほとんどありません。
しかし京セラが1984年に設置した太陽光発電設備が30年以上稼働し続けている例があります。
設置から25年目の出力低下率は9.6%だったそうです。
当時より技術が進んでいることを考えると、現在のパネルは30年以上の耐久性があるかもしれません。