海が近い地域では、塩害の影響が出るため太陽光発電所の設置には向かないとされてきました。
塩害によってもたらされる影響と、太陽光発電所への被害について調べてみました。
■塩害とは
塩害とは、空気中や水に多量の塩分を含むために受ける害のことです。
ここでは特に海水のことで、海水に含まれる塩分が植物や金属、建築物などに被害を与えることを塩害といいます。
海の波の飛沫が飛散したり、風に乗って運ばれることで周辺に様々な影響を及ぼします。
■影響を及ぼす範囲
塩害を受ける範囲として
・岩礁隣接地域:直接波しぶきが当たる場所
・重塩害地域:海岸から200~500m以内
・塩害地域:海岸から2km以内
という目安があります。
地域によって影響を受ける範囲には違いがあり、海岸線の形状や海抜の高さや風向きなど様々な要因によって決まるため、何m離れていれば安心とは一概には言えません。
また台風などの強い風が吹いた場合は、海の近くでなくても強風で運ばれた塩分の被害を受けることもあります。
■塩害のメカニズム
塩害は、塩分を含んだ水や空気などに触れた植物や金属、建築物などに腐食や錆を発生させます。
電気機器に関しては腐食や錆が進行していくと、劣化した部分からさらに塩分が侵入していき、どんどん腐食が進んでいきます。
通常の水と海水では海水の方がより電気を通しやすい特性を持っているため、絶縁部分に海水が付着すると漏電状態になってしまったり、電気を供給できない状況に陥ってしまいます。
■塩害対策
塩害による被害を受けないためには、対策を考える必要があります。
・塩分を遮蔽する
・定期的に清掃する
・塩分に強いものを使用する
▼塩分を遮蔽する
塩分が機器に接触しなければ被害の発生を抑えることができます。
一時的にシートなどで設備を覆ったり、小屋掛けで対処することができますが、その分コストがかかります。
▼定期的に清掃する
定期的に設備を清掃することで、表面に付着した塩分によって腐食が進行することを食い止められます。
コストよりも手間がかかります。
▼塩分に強いものを使用する
メーカーによっては塩害対策仕様の製品を取り扱っています。
従来のものよりも塩分に耐性があることは確かなのですが、これを使用していれば絶対に安心というわけではありません。