太陽光発電事業を始めるにあたり、どのような土地が事業に向いているのでしょうか。
積雪や降灰のある地域はあまり適していないイメージがありますが、実際のところどうなのか調べてみました。
■積雪地域での検証
青森県弘前市、ここはいわゆる豪雪地域ですが、雪量の多い地域でも対策を施して十分な発電量が確保できるか実証を行っています。
積雪対策として
・対積雪用太陽光パネルを使用
・対積雪用架台を採用
・パネル傾斜角30°で設置
以上の対策を取り、パネル上の積雪は監視カメラで常に記録し状況に合わせて除雪作業を行う運びになりました。
■検証結果
上記の検証を1年間行い、弘前市は検証結果を発表しました。
積雪によって発電量は見込めないと思っていた1~3月も日照が数時間あればパネルの上の雪は解け落ち、ある程度の発電量が見込めることが分かりました。
単純に日射量のみで比較すると弘前市と東京都では著しい剥離は見られず、積雪地域であっても対策を講じれば事業として成り立つことが判明しました。
■降灰地域での実情
2015年には年間1252回も爆発的な噴火を繰り返した鹿児島県の桜島。(鹿児島地方気象台より)
その桜島のすぐ近くに国内でもかなり大規模な、70MWの七ツ島メガソーラー発電所があります。
70MWは、東京ドーム約27個分の広さで、パネルが約29万枚設置されています。
降灰があってパネル表面に灰が積もってしまった日は、シミュレーションと比べて約50%程度しか発電できないそうですが、風が吹いて灰が飛んでいけばある程度は改善されるそうです。
また灰への対策でパネルのフレームに溝を切り、雨が降ると灰が洗い流されやすい仕様にしているそうです。
灰が積もったままでは発電量が低下し損失も大きくなるとみられているのですが、高圧洗浄者と作業員を確保するためにはかなりのコストがかかるため、洗浄作業に関しては効率化の面で課題が残ります。
太陽光パネルは周囲の気温が高すぎても低すぎても発電しません。
積雪地域では夏場の発電量が期待できますし、特に降灰のある南九州では洗浄作業によってパネルが冷却され発電量の増加が期待できます。
日本全国どこでも極端な要因がない限りは事業として成立しそうですね。