前回の記事で中古で太陽光発電所を購入することのメリットについて書きました。
今回は中古で購入する際に気を付ける点、デメリットについて書いていきます。
■中古の太陽光発電所は税制措置を受けられない?
新しく建設された太陽光発電所を購入する場合、グリーン投資減税や生産性向上設備促進税制を利用して、一括償却を行えます。
しかしそういった税制措置を受けるための条件の1つに、「中古資産でないこと」という前提があるため、償却目的での購入はメリットを得られません。
ただし、中古の太陽光発電所でも通常の減価償却を利用することは可能です。
減価償却については別の記事で解説していきます。
■新設に比べて設備が劣化している
当たり前の話ですが、中古の太陽光発電所は新設された発電所に比べて、稼働していた分だけ設備や機器などの劣化が進んでいます。
ただ20年間の運用を前提として施工されるため、初期不良や手抜きの工事などを除き、完成して数年で故障などが発生することは多くありません。
これから稼働年数を重ねるほどに、設備や発電状況に問題のある発電所を売却するというケースが増えてくることが予想されます。
これに関しては購入前に現地を入念に視察することが大事です。
造成に不備はないか、配線類がむき出しになっていないか、影がかかる時間帯はないか、草が伸びて影を作っていないか、確認するポイントはたくさんあります。
■稼働していた分だけ買取期間が短くなる
中古の太陽光発電所を購入する際、所有者が変わっても買取期間や買取価格は変更されません。
つまり20年間から稼働していた年数を引いた数字が、固定価格での残りの買取期間になります。
そのためトータルでの売電収入は下がりますが、発電所自体の価格も下がるため、利回りの点でみると極端に下がることはあまりないでしょう。
上記3点をデメリットとして書きましたが、考え方によっては気にならない場合もあります。
通常の減価償却に使用したい、少しでも安く太陽光発電所を購入したい、より正確なシミュレーションが出ている発電所に投資したいなど、ニーズによって自分が購入したいのは新設なのが中古なのか判断しましょう。