2017年4月の改正を目前にして、固定価格買取制度の発足から現在までを振り返る記事第2弾です。
日本のエネルギー自給率は低く、そのほとんどをいつかは資源が枯渇する化石燃料に頼っています。
そこで資源の枯渇の心配がなくCO2の排出量も少ない再生可能エネルギーに注目が集まった、というところまでは前回の記事でお伝えしました。
文章だけ見るとメリットだらけの再生可能エネルギーですが、普及がなかなか進まなかった理由を見てみましょう。
前回の記事はこちら
■再エネ導入の課題
再生可能エネルギーを導入するにあたっての問題点は、主に以下の通りです。
・設備の価格が高い
・気象条件などに出力が左右される(発電が安定しない)
まず再生可能エネルギー発電システムを導入(建設)するための費用が高いという点があります。
さらに太陽光や風力など発電量が天候などの気象条件によって左右されて利用率が低いという観点から、キロワットあたりの発電コストは既存の火力発電などに比べて高くなります。
・設置可能な地形を選ぶ(どこへでも設置できない)
例として山の中の広大な土地に太陽光発電所を建設したとします。
周りに背の高い木々が茂っていたり、設備の向きや角度によっては太陽光の当たる時間帯が極端に短かったりします。
これでは発電量はほとんど見込めず、建設する意味があまり感じられません。
・需給バランスによっては大規模停電の可能性がある
例えば冷房や暖房を使いたい時に発電量が全く追いつかなくなった場合や、逆に電力があまり必要でない時に電力の供給過多になってしまうと、大規模停電が発生し電力の安定供給に問題が生じてしまいます。
これらの問題を解消するために国による様々な支援施策が始まり、その中の一つとして再生可能エネルギー固定価格買取制度が発足されたという流れです。
制度が開始したことによって投資回収の見込みが安定化したことで、再エネ発電事業への参入が増加し現在に至ります。
また電気を蓄えて安定的に供給するための蓄電池の開発や、設備導入の際のコスト削減や性能向上など、研究開発も同時に進められています。