最近太陽光発電所の売り文句の一つに、「過積載〇〇%!」というような文字を目にすることが増えてきました。
過積載と聞くと荷物を載せすぎたトラックを想像するのは私だけでしょうか。
言葉だけ聞くとあまり良いイメージはありませんが、太陽光発電における過積載とは一体何なのか書いていきます。
■発電出力の考え方
現在の制度において太陽光発電設備の発電出力の考え方は、太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの出力のいずれか小さいほうを申請することとなっています。
例えば、パネルの合計出力が低圧と高圧の境目である50kWを超えていても、パワコンの出力が50kW以下であれば低圧の発電所として認められることとなります。
■過積載のメリット
・パワコンの起動が早まり、停止までの時間が長くなる
・天候不良でも発電低下の割合が少ない
・稼働時間が長くなることで売電収入がアップする
パワコンには入力電圧というものがあり、パワコンに流れる電気がその数値を超えると運転を開始するというものです。
過積載によりパネルの枚数が増えると明け方の日が昇り切っていない時間帯からでも発電を始められる可能性が高く、日没前の時間帯でもギリギリまで発電を続けます。
これにより、通常なら発電量が少ない時間帯でも売電収入がアップします。
■過積載のデメリット
・パネルを増やす分の費用がかかる
・ピークカットで捨てられる電気がある
・機器の保証が受けられない場合がある
パネルを増量するにはその分の費用がかかりますが、それを補ってさらに利益が期待できるほどの可能性を秘めています。
最も発電量が多くなる時間帯において、発電出力が50kWを超えた分はピークカットが行われます。
電気を捨てるのはもったいないしエコではないですが年間を通してみると案外少なく、全体の2%程度のロスに留まることが分かりました。
過積載をしているとパワコンが故障した際に保証を受けられない場合がありますが、メーカーによっては過積載対応の機器を発売しているので、それを購入することで保証が受けられます。
通常なら発電量の少ない時間帯にも発電ができることで、低い初期投資で高い利回りを得ることにつながります。
過積載が増えてきたことにはこういった背景があったのですね。