太陽光発電設備を建設する際は、パネルやパワコンなど見積もりを出して総工費の概算を出すと思います。
そういった予想ができないのが工事費負担金です。
工事費負担金とは施工会社に払うものではなく、管轄の電力会社へ支払うものです。
今回の記事では工事費負担金について、東電の資料を用いて書いていきます。
■工事費負担金とは?
太陽光発電所などの発電設備を、電力会社の送配電設備と連系するために受電側接続設備を新たに施設するときは、工事費負担金を発電事業者が負担しなければなりません。
簡単に書くと発電事業者が売電するためには、電力会社が既存の設備を増強して対応しなければならない場合があります。
増強した設備は電力会社の資産になるのですが、発電事業者の要望に応えるために増強しなければならないので、工事にかかる費用は発電事業者に請求されます。
これがいわゆる工事費負担金と呼ばれるものです。
■負担金の対象となる設備
発電所から最初の変電所または開閉器までの間の電力会社の供給設備で、発電所の連携に伴って工事が必要となる部分が工事費負担金の対象となります。
また、発電所への事故波及防止のために専用の変電所・開閉所を施設する場合には、専用ではない変電所・開閉所までの供給設備が対象となります。
共同電源線
複数の事業者から同時に申し込みがあり、複数の事業者が一部または全部を共用する電源線を1件の工事として新たに施設する場合は、共用する部分の工事費負担金は原則として電力の比で按分することになります。
他の事業者が辞退していくと按分の割合が大きくなる可能性があります。
工事費負担金は電力会社に接続を申し込んでから様々な技術検討を経て弾き出される金額なので、とても高額になるかもしれませんし、安くで済むかもしれません。
また電力会社側の工事が何日、何か月、何年かかるかも請求されるまで分からないことが多いです。
つまり発電事業者は工事費負担金を支払うか、事業を中止するか2択になります。
工事費負担金が不明瞭のまま建設を始めてしまい、あとは連系するだけになって高額な負担金が支払えずにどうすることもできない、といったケースも考えららますので、十分に気を付けて事業を進めていきましょう。