再生エネルギー固定価格買取制度として2009年に太陽光余剰電力買取制度が制定され今年で10年になります。
住宅用太陽光の余剰売電をしている人は今年までという方も多く売電期間終了後はどうなるのかと不安視している方も多いようです。
そんな再生エネルギー固定価格買取制度で現在主流となっているFIT法なのですが資源エネルギー庁が今年の4月22日に有識者会議でFIT法を抜本的に見直す考えを発表しました。実際は2020年度末の見直しとなるため少し時間はございますが、正直どうなるのか気になるところでもあります。
2020年度末のFIT法抜本見直し期限まであと2年余りと迫る中、
再生可能エネルギーが自立していくための橋渡しとなる支援制度の在り方や、大量に導入された再生可能エネルギーが地域と共生しながら定着し長期安定的な事業運営を行う規律ある事業環境の在り方、脱炭素化に向けた電力レジリエンス強化・次世代NW形成のための電気事業制度の在り方など、必ずしも2020年度末の期限を待つことなく関係審議会等においてそれぞれ具体的な制度設計を進め、主力電源化を盤石なものとするための総合的な政策パッケージを示していく必要がある。
(FIT制度の抜本見直しと再生可能エネルギー政策の再構築 4月22日 P4より)
一部ではございますが以上にもあるような内容の発表でした。
支援制度の在り方、長期安定的な事業運営を行う規律ある事業環境の在り方といった言葉にもあるようにFIT制度の考え方が2020年度末に大きく変更される可能性が出てきました。
論点として挙げられているのが
〇再エネ発電事業の長期安定的な事業運営を確保するため、安全や保安面の規律強化、地域住民や自治体との調整円滑化、太陽光発電設備の廃棄対策
〇太陽光発電設備について、50kW未満に対する技術基準への適合義務の執行強化に向けた取組や、斜面設置に係る技術基準の見直しを実施
〇標識及び柵塀の設置義務に違反する案件の取締りや、自治体の先進事例を共有する情報連絡会を、継続的に実施。
〇太陽光発電設備の廃棄等費用について、積立てを担保する制度の具体化を進めるとともに、並行して積立計画・進捗状況の毎年の報告を義務化。
以上のことを通して再生可能エネルギーが責任ある長期安定的な電源として地域と一緒に生きていき社会に安定的に定着させ再生エネルギー発電事業の適正な事業継続と将来的な再投資を確保するためには、現行制度下での対応を超えて再生可能エネルギー政策を再構築していく中で、どのような対応の具体化が必要か。ということを検討していく必要があると資源エネルギー庁は課題として挙げています。